しびれとは

手足のしびれのイメージ画像

しびれと聞くと多くの方は膝枕や正座をしたときの症状を思い浮かべるかもしれませんが、生命に影響するしびれというのもあります。とくに気をつけなくてはならないのは、脳の病気によるしびれのことで、脳神経症状としては、脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞)、一過性脳虚血発作(TIA)、多発性硬化症、糖尿病性ニューロパチー(糖尿病性神経障害)といったものがあります。なお脳の病気が原因のしびれである場合、言語障害、運動障害、意識障害、めまい、視覚障害、頭痛、けいれんといった症状も併せてみられるようになります。

なお、顔の片側半分と顔側とは逆側になる手足を含む体の片側半分にしびれがある、しびれや力の入らない状態が顔、手足など体の片側全体に起きているといった状態が一時的にせよ起きているという場合は、脳梗塞の前兆とされる一過性脳虚血発作が疑われます。また長期間体の片側にしびれがある、痛みが増幅されているという場合は、脳腫瘍のケースも考えられます。

以下のようなしびれの症状はご相談ください(例)

  • 左右どちらかにだけしびれがある
  • 左右対称でしびれがみられる
  • 手や足がジンジン、ピリピリする
  • しびれや痛みがあって歩きにくい
  • 手術をしている、あるいは薬を服用しているがしびれや痛みが続く など

しびれを感じる主な脳の病気

脳出血

脳出血は→こちら

一過性脳虚血発作(TIA)

一時的に脳の血流が悪くなることで起きる発作のことで、脳梗塞のような症状(麻痺や失語など)が短時間で消えてしまう症状のことをいいます。原因としては、脳、脊髄、網膜といった一部の血管で血流が悪くなることで発症します。すぐに治まるからとこれといって治療もしないままでいると、脳梗塞をはじめ、脊髄梗塞、網膜動脈閉塞症といった疾患を発症するリスクが非常に高くなります。そのため脳梗塞の前駆症状ともいわれているのです。ちなみに一過性脳虚血発作を起こした10~15%ほどの方が3ヵ月以内に脳梗塞を発症しています。

同疾患を発症する原因として、長期の不摂生な生活習慣や加齢といったことが原因で脳や首の血管で動脈硬化が起き、それによって蓄積された老廃物(アテローム)が血栓となって一時的に詰まるなどして発症するといわれています。これによって、片方の手足の麻痺やしびれ、しゃべりにくさ、一過性黒内障、回転性めまいなどがみられるようになります。なお、上記のような症状は数分~30分程度で消える場合は一過性脳虚血発作とされますが、実際には小さな脳梗塞を起こしている可能性もあります。